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雑踏警備とは? 交通誘導や交通整理との違いや業務内容、基本的な方法を解説

コロナ禍が収束に向かい、全国各地で様々なイベントが再開され始めました。特に2023年の傾向は、2022年に多く見られた縮小再開ではなく、本格的なイベント再開が見込まれます。
イベントの本格再開を楽しみにしてきた人々や、これまでイベントの参加に慎重だった人など、今年は多くの人出が見込まれます。このような大規模イベントでは雑踏警備が重要な役割を担います。

このコラムでは、雑踏警備の基礎や雑踏警備の警備対象、他の警備業務と異なる点などについて解説します。

雑踏警備とは

雑踏警備の意味と定義

雑踏とは、多数の人で込み合うことを言います。

具体的には、イベントなど多くの人が集まる場所で生じた人と人との混雑状態のことです。
こうした集まった人が移動する際の混雑も雑踏になります。多くの人が集まるイベントの例としては、コンサートやサッカー、野球などのスポーツ観戦、花火大会、マラソン大会、博覧会、催事や初詣、お祭りなど多岐にわたります。

人が多く集まる場所での事故や混乱を防止するのが雑踏警備になります。

交通誘導・交通整理との違い

人が雑踏する場所において誘導業務や人の整理を行う場合が雑踏警備。
人及び車の両方を誘導する場合は交通誘導業務になります。

厳密に言うと、イベントで人が集まる場所は雑踏警備、駐車場の車両誘導は交通誘導になります。
大きなイベントの場合は雑踏警備、交通誘導警備などの要素が多く含まれる場合があります。

施設警備との違い

施設警備は契約先の施設において、事故の発生を警戒し、防止する業務になります。

常駐警備員が出入管理や巡回を行う常駐警備、常駐せずに一定回数巡回する巡回警備、機械警備、ショッピングセンターなどで店内を巡回する保安警備、空港警備なども施設警備に含まれます。

大型イベント等では出入管理業務も有り、雑踏警備、施設警備などの要素が多く含まれる場合もあります。

雑踏警備の役割

多くの人が集まる場所やイベントにおいて、事故や来場者のケガを防ぐために、混雑緩和、犯罪の予防、交通の規制などの警備を行います。

2001年7月21日には、明石市民夏まつり花火大会にて最寄駅から会場への通路となった歩道橋において、会場へ向かう群衆と帰宅する群衆が集中し、多数の人が折り重なって転倒し、死者11名、負傷者247名の雑踏事故が生じました。

2022年10月29日には韓国の首都ソウルの繁華街、梨泰院でのハロウィンイベントで群衆雪崩による雑踏事故が発生しました。この事故では158名が亡くなっています。

こうした事故を防ぐのも雑踏警備の大きな役割です。

雑踏警備の警備対象

雑踏警備の警備対象としては、契約先である主催者のみならず、イベント等に来場する観客や集合する人を対象としています。

雑踏事故を防止するために、警備会社は事前に主催者、警察、関係機関と綿密な事前の打ち合わせを行います。特に重要なのが実地踏査です。イベント時だけでなく、平時の会場や季節毎、雨天時、強風時での変化を把握することが求められます。

またイベントの来場者に不快な思いをさせないことも重要です。警備業はあくまでサービス業。事故防止を優先し、警備上の利便ばかりを検討してしまうと、行き過ぎた警備になってしまいます。来場者が気持ちよくイベント等に参加していただく警備計画が重要です。

警察による雑踏警備の内容

警察は、警察法第2条に定められた責務を果たすため、主催者に対して必要な指導を行います。

事前に主催者、警察、警備会社など関係者で雑踏警備計画を作成しますが、警察部隊の投入が必要な場合には、当日は主催者、警備会社と連携して雑踏事故の未然防止を図ります。

警備業法による雑踏警備の規定

雑踏警備は警備業法では2号業務に当たります。警備業法では2号業務は「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」と記載されています。

雑踏警備員とは?

雑踏警備員とは

雑踏事故を防ぐために専門の教育を受けた警備員が雑踏警備員です。

雑踏警備の警備範囲はどうしても広くなります。広い範囲で多くの人が密集する場合、優れた雑踏警備員が多数必要になります。こうした現場では、経験を積んだ警備責任者のもとに雑踏警備専門の訓練、教育を受けた警備員が雑踏警備員として配置されます。雑踏警備にも検定があり、専門的な教育を受けた検定合格警備員を要所に配置することも重要です。

雑踏警備の目的を達成するためには、イベント等に集まった群衆の協力が不可欠です。 そのためには威圧的な態度や不快感を与える行動はつつしまなければなりません。丁寧な言葉使いや整然とした動作、規律正しい行動を取れる警備員であることも重要となります。

雑踏警備員の業務内容

・群衆の規制と誘導
・群衆への協力依頼
・適切な広報活動をして、群衆が停滞しないように流動させる
・群衆が一定以上になった場合に流入の制限をし、混在の解消を図る
・階段や出入口、曲がり角、障害物などで事故が起こらないように広報する
・規制用資材の適切な配置

雑踏警備の基本的な方法

スポーツイベントの雑踏警備方法

各会場の規則にもとづき警備計画を策定。競技場出入口での誘導を行います。
場合によっては入場をお断りすることや、退場をお願いすることもあります。イベントによっては荷物検査を行い、持込禁止品のチェックを実施します。

その他にも競技場内の案内や監視、駐車場出入口の誘導、関係者入口の入場規制やVIP動線の警備、周辺道路の違法駐車対策など業務は多岐にわたります。

マラソンの雑踏警備方法

マラソンやパレード警備は公道を利用するため、周辺道路の交通規制が行われます。
規制された道路の車両迂回誘導を行います。また、沿道にもたくさんの観客が集まります。こうした観客の規制や誘導、道路への侵入防止、妨害行為への予防を行います。

競技者や観客に病人やケガ人が発生した際の緊急車両誘導も重要な業務となります。マラソンやパレードは競技者、演者が移動をしていくので、交通規制の時間との時間管理も必要となります。

大型イベント、テーマパークの雑踏警備方法

長期の大型イベントやテーマパークではさまざまなリスクに対応する警備が必要になります。
雑踏事故はもちろんのこと地震や台風といった自然災害、火災、迷子、遺失物、いたずら行為や窃盗と子ったリスクにも備えなければなりません。

コンサートの雑踏警備方法

観客の入場時と退場時の混雑緩和が主な任務になります。

大型の野外イベントでは数万人を超える観客が来場します。このような場合は、最寄駅やバス乗降場、駐車場といったアクセスポイントの管理も重要になります。会場までの動線を安全に誘導します。周辺住民からのクレームが発生することもあり、主催者や行政との事前の打ち合わせも必要です。

花火大会の雑踏警備方法

花火大会は、短期間に多くの人が一斉に移動します。打ち上げ前、打ち上げ後が最も混雑し、雑踏事故が起こりやすい時間になります。暗くて足元が見えにくい中なので、特に観客に高齢者や子供が多くいることも想定して警備計画を策定します。
また、河川敷や海岸などで行われる場合は、階段、土手などの傾斜にも注意が必要です。

会場周辺の露天商も混雑のポイントになりますので、歩行の障害にならないように整然と整理を行います。

エスピトームの雑踏警備の特徴

エスピトームでは創業以来、さまざまな雑踏警備を経験しております。

町内の小さなお祭りから、スーパーやドラッグストアの開店イベント、40万人規模の花火大会、70万人規模のイベント、国際的なスポーツイベントまで事故無く警備を担当してきました。

エスピトームでは雑踏警備を担当する警備員には雑踏警備の専門教育を実施しています。
専門教育では過去の雑踏警備の問題点や事故事例の研究、雑踏密度と入退場の方法、滞留状況、移動速度、規制など多岐にわたります。

また、事前の訓練では的確な部隊への指揮が行えるように警備計画を立案。各現場にあった広報要領を作成します。観客や集まった方々の理解と共感が得られるように広報を行います。事故などが発生した際には各部隊が有機的に連携し、効率的な運用を展開します。そのために、トランシーバーなどの通信機器にも全警備員が習熟しております。 雑踏2級、1級の検定警備員も多数在籍しております。

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